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繁盛店研究所


9月の繁盛店研究所

■今回の研究内容■

もともと異業種から飲食店をオープンした、開店して間もない串揚げ店。
お客様はオーナーのお付き合いもあり、知人の方々や紹介などで
一時は盛り上がりを見せていたが、ここにきて落ち着いてきてしまった。
料理長以外経験者とはいえ信頼して頼れるまでに至っていない。
お店の方向性からメニュー、人材教育までどのようにしていけば良いか?
売上含め全体的に行き詰まってきてしまい、思い悩んでいる。



□ 店舗所在地 埼玉県
□ 業態 串揚げ
□ 開業日 今年7月にオープン
□ 客席数 24席
□ 客単価 2,200円前後
□ 営業時間 平日  17時〜23時30分(LO) 
           日曜日 16時30分〜22時30分(LO23時)
□ 定休日 木曜日
□ 賃料 10坪 10万円
□ 現在実施している販促 新聞にチラシ折込 3,000〜5,000枚
                     駅前でビラ配り
□ 客層 
・若いカップル・女性2人連れ・サラリーマン2〜3人連れ・近隣居住者など



■今回の研究結果■

「お店の活気」とは無理に作れるものではありません

働く人の笑顔が自然と お客様を思えば自然と生まれるものです

「繁盛店」とは一朝一夕で作れるものではありません

働く人の笑顔が自然と お客様を思えば自然と結果そうなるものです


自店のコンセプト=柱となる軸を今一度見直していきましょう
「ちょっと高級感のある、でも手頃な価格でおなかいっぱい
食べられる串揚げ屋」という位置づけでオープンした同店。


しかしながらそのコンセプトを全うできているのは各お客様の
目前にセッティングされる半月盆と、串揚げの下に敷かれる天紙。
カウンター上のディスプレイや居抜き物件取得の際に一緒に残されていた
和食器、そして確かに低価格で手頃なメニューランナップなど・・・


でもここでオーナーと奥様と共にちょっと考えてみました。
「串揚げ」なのに提供時間が遅く間に合っていない。
メニュー数がそんなに多い訳ではないのに遅いとクレームが入る。
せめてものドリンクすら間に合っていない。
メニューの内容はどこにでもある居酒屋の一品メニューレベル。
美味しいとは評判でもそれがお客様の本音なのか建前なのか・・・?



高級感とうたうには程遠い一品メニュー
手の込んだものを提供することが果たして、この界隈で利用される
お客様が本当に望んでいらっしゃることなのでしょうか?


ビニールシート張りの店頭。ここにはテーブルもイスも出して
お客様がかけられ、お食事できるようになっています。
これはこれで面白いと思いますが、ここにかけながら
半月盆の上に供される食事って・・・


このイメージのファサードであれば「早い」「安い」「旨い」を
想像しながらお客様はご来店されるのではないでしょうか?


気取らず、気軽に、気兼ねなく。いつでもフラッと立ち寄れる店。
今の店の雰囲気から・・・私でしたらこんな風にイメージします。


一品料理も季節の旬のものにちょっと手を加えた気の利いたメニュー
などを取り揃え、一杯飲んで、ちょっとつまんで、ソースをどぶ漬けで
串揚げを頬張る。


席が一杯だったら急遽立ち飲みスペースも出現。
テーブルに掛けるよりちょっと割安。でもサービスも料理も一緒。


「今日もお疲れ様でした!ビール、冷えてますよ!!」


「串揚げ、熱いんで気をつけてくださいね!!」


「今日のおすすめは○○です!これは本当に美味しいです!
料理長自信の一品なんで是非召し上がっていってください!」


「○卓のお客様、お料理追加頂きました〜!」
「有難うございます!!」


「○卓生3つ、追加頂きました。お願いします〜!」
「はい、有難うございます!!」


「いつも元気だね。ここに来るとこっちまで元気になるよ」
「お客様にそうおっしゃって頂けるのが元気でいられる秘訣です!」


「今度お友達連れてこようかしら」
「是非!何かサービスさせて頂きますよ!僕の笑顔ですけど・・・」


「この料理、すごく美味しいよ」
「有難うございます!料理長、お客様から美味しい、頂きました〜!!」


「ちょっと、まだ頼んだ料理が出てこないんだけど」
「今確認いたしますね!○卓さまのお料理、大至急でお願いします!」
「申し訳ございません、只今心込めておつくりしておりますので
もう少々お待ちくださいませ」


「ちょっと一杯飲みたかっただけだから!今度またゆっくり来るよ」
そう言い残して気分良く帰られるお客様の姿が目に浮かびます。


お客様と、そしてスタッフ間でのやりとりが
自然とお店の活気になります。
お客様と、そしてスタッフ間とのやりとりで
お客様もスタッフも自然と笑顔になります。


そこに洗練された高級感など必要でしょうか?
この地域で、この客層でそつのないサービスなど求められているでしょうか?


もっと人と人のふれあいと、繋がりを作っていくべきなのではないでしょうか?
この地域で求められているのは、そんなサービスなのではないでしょうか?


お客様が元気になれる。働くスタッフも生き生きと仕事ができる。
そんな地域オンリーワンの一番店を目指していくことの方が
このお店のコンセプト=柱に必要なことと思うのですが・・・如何でしょうか?



ビニールシート張りの店頭ファサードから、高級なものを
期待してご来店されるお客様・・・果たしていらっしゃるのでしょうか?


進みたい方向性とハード、ソフト共に伴っていない現状・・・
であれば今現在の状況を最大限生かしたかたちで、且つ地域の
お客様に支持されるお店づくりを今後の目標にしていきましょう。





コンセプトが決まってきたら・・・ハードとソフトを見直します。
店頭のビニールシートには短冊に書いたメニューを貼り出す、
店内のPOPもパソコンでキレイに作りこまれたものではなく
これも手書きでイラストなども入れたりコメントも入れたりして・・・
手作り感とあたたかみを感じさせるような演出をしていきましょう。




ドリンクもおすすめのものを大きく写真入りで掲載する、
(=すぐに提供できるもの)お店のコンセプトに合った
ラインナップを取り揃える、ボトルキープを積極的にとっていく
(リピート利用を促す)などなど、できる工夫はいっぱいです


従業員の・・・指導方法?
スタッフ教育にはどこのお店も頭悩ませるところだと思います。
新店で殆どが素人同然だったこちらのお店・・・。
オーナーは非常に教育熱心なご様子で、スタッフルームには
接客の心得やあり方など、たくさんのトレーニングツールを貼り出しています。


しかし私はこれを見て、逆に心配になりました。
確かに読めばそのどれにも大切なことばかりが書かれています。
守らなければいけない、サービスマンとして知っておくべきことが
事細かに記載されています。


でもその前に・・・
スタッフの皆さんには知っておいてもらうべきことってあるのです。
それは何か?


「お店自体の心構え」


それが先に書かせて頂いたお店の「コンセプト」のことなのです。


最終的にそのお店が目標とする着地点。
そこに向けて、向かっていく為にそれらの知識が必要なのだという
認識と理解を持ってもらわないことに、いくら貼り出しておいたって
「そうしてくれ」と言ったって、いつまでたっても現状は変わりません。


そういった知識や心得とは、何のために必要なのか?
「お客様に失礼のないようにするため」
「知っていなければいけないことだから」
そんな認識レベルでは、それらは全く意味を成しません。


「このお店はお客様に笑顔で、元気になって帰ってもらうことが目標」
例えばこういったコンセプトのお店だとします。
そうすると必然的に必要なこと、知っておくべきこと、努力すべきことが
働く皆の共通認識として浸透していくのではないでしょうか?


「美味しいものをより美味しいと感じて頂ける努力を惜しまない店」
このコンセプトでしたら如何でしょう?
常に学び、知識を仕入れ、おすすめの仕方を考える。
料理長はじめ、全スタッフがその目標を全うするためにすべきことが
明確に見えてくるのではないでしょうか?


そこをなくして、知らずして従業員の指導も、教育も何もありません。
私がスタッフトレーニングを行う際は必ずこのコンセプトの共有と、
(とにかくしっかり認識してもらうまで)お店のルールについて、
飲食店で従事するということについてだけで丸一日かけています。
それぐらい重要だということ。


すると面白いことに・・・みるみる皆さんの目つきが変わってきます。
動きが、声がけが、気配りの仕方が変わってきます。
そうなればロールプレイングにたくさんの時間を割くよりも
より効果の上がる、効率の良いトレーニングの時間となり
最初は慣れないながらもお客様に支持されるスタッフに育っていきます。


そんな時は改めて、やはり何事にも理由が必要なことを実感するのです。


「お店自体の心構え」とはお店のあり方そのものでもありますが
スタッフ教育の為の理由でもあるのです。


その認識をオーナーがお持ちにならないことにはこれから先も
同じことばかりを繰り返してしまうことになってしまいます。
もっと一人ひとりの持てる力を信じましょう!
皆さんそれぞれに個性的、そして魅力的で前向きな気持ちを持っている
メンバーでしたよ!


地域に末永く支持され、愛されるお店であってください。
そうなれたときに晴れてようやく・・・
「繁盛店」という称号を手に入れることができるのです。




LAUGHLAX 保木 香都子

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